砂漠の王と拾われ花嫁
* * * * * *




満月が莉世の部屋の中を照らしていた。



明るい月明かりに裸眼でもベッドの上に莉世が眠っているのがわかる。



タヒールは自分の思い通りになった事にあくどい笑みを浮かべた。



月に照らされた莉世の寝顔は美しい。



「殺すには惜しいほど美しい娘だ」


だが、娘の為だ。



タヒールは胸から短剣を取り出した。



そして短剣を持った手を大きく振り上げる。




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