アイドル様とヒミツな恋を。
「しょうがねぇなぁ」
「きゃッ!?」
ボーッとしてた私の手を急に握って、竜人は観覧車へと向かう。
「ちょっ、ちょっと!!」
私の歩くスピードを無視して引っ張る竜人に慌てて声をかける。
「何?」
それでもスピードは変わらず、背中を向けながら返事をした。
「私が観覧車行きたいの気付いてたの?」
いつのまにか、私は観覧車に行きたいと思ってる。
そんなの自分でも気づかなかったのに、竜人はもしかして気付いてた?
「……さあ?」
どうだろうね、と呟いて、また一段と歩くスピードを上げた。
……コイツ。
どうだろうとか言ってて、絶対気付いてたな!!
私の反応みておもしろがってたんだ!!
今絶対ニヤニヤしてるな、と感じて、気付かれないように舌をつきだした。
そんな私を知ってか知らずか、クスッと意味深な笑いを浮かべていた竜人だった。