最初に愛した、あなたの記憶
そしてまた、夢の中
あたしは泣いている。

号泣だ。

ヒトってこんなに泣けるんだな
っていうくらい

あたしは泣いている


あたりは黒くて

なんだか煙たい


そんなのどうでもいい。


あたしは泣いている。


ココはドコ?



苦しい 苦しい 胸が苦しい
また
胸が圧迫される



亮くん…

助けて。
もう嫌だよ、亮くん…
助けて…。



そしてまた起き上がる。

涙が溢れて
あたしのシャツの胸元を濡らす。
ねぇけんちゃん、あたしおかしいのかな。

亮って…誰よ…


なんかすごく

悲しい…


涙が溢れて止まらない。


あれは夢なんかじゃないよ。


けんちゃんが起き上がって、
私を抱きしめて
落ち着かせてくれる。


「今は俺がいてるから、大丈夫。」


けんちゃんの言葉の意味の深い部分は考えられなかったけど、

涙は
ゆっくりかわいて


あたしはまた

けんちゃんの腕の中で

甘い眠りに

落ちた。


でも

今のままじゃダメな気がする。



亮って誰だろう…

あたしも、なんなんだろう…


あれはきっと
夢なんかじゃないよ。



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