*あたしの好きな人*

*2-2*


夏休みもあと1週間となった。


雄太とは別れたけど、
未だ嫌がらせのメールは続いている。
だんだん内容もひどくなってきた。


でもあたしはその相手に
返信することもなければ、
最近は本文も開かずに
削除している。



今はそんなことに悩んでいる暇はない。


あたしは奈々に電話をかけた。




プルルルル‥‥‥プルルルル‥‥‥


「はーい!」


元気な奈々の声が聞こえた。


「奈々、元気だね〜。」

「元気だよ〜。でももう夏休み終わっちゃうから若干ブルー入ってるよ〜。」

「あはは!あと1週間だもんねぇ。」


ん?あれ?近くで男の声がする‥‥


「奈々?もしかして今祐介さんと一緒にいる?」


「あ、うん。私今祐介の家にいるんだ。祐介も今友達と電話してて‥‥」

「そうなんだ。ごめんね、邪魔しちゃって‥‥」

「全然いいって!それよりどうしたの?何かあったんでしょ?」



あたしは今奈々に言うべきか
躊躇った。


祐介さんが近くにいるから
なんとなく龍の話はしにくい。



「柚?‥‥龍さんのことでしょ?」





< 109 / 146 >

この作品をシェア

pagetop