*あたしの好きな人*

雄太‥‥本当にありがとう。

雄太に想われて、短い間だったけど
雄太と付き合えて、本当によかった。

雄太のおかげで、
一度は諦めかけた龍への
気持ちを再確認でき、
やっぱり諦められないって思った。




あたしは家に帰り、
ずっと龍のことを考えた。


龍は今頃何しているんだろう。


またケンカしてるのかな。

奈々に教えてもらったコンビニに行けば
龍に会える?



奈々が、龍は今相当荒れている
って言ってた。

どれくらいひどいんだろう。



いろんな女の人を連れている
って言ってた。

龍はその女の人たちと
毎日毎日何してるの?

龍はその人たちが好きなの?

あたしのことは忘れたかな。




一学期最後の日に廊下で
龍と雄太に会い、
それ以来連絡も全く来ない。




‥‥‥あぁ、そっか。

あたしたち別に何も始まってなかったんだっけ。


ただ一方的にあたしが龍を
好きなだけなんだ。


何を勘違いしてんだろう、あたし。



もうダメかも‥‥


さっそく挫折の気持ちが
襲ってくる。


あたしは頭をブンブン横に振り、
両手で頬をペチンと叩いた。



「ダメダメ!頑張るって決めたじゃん!」



その夜は、
いろんなことが頭の中を回り、
寝たのは朝方近かった。



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