派遣OL、時々蝶。
挨拶を終えて、お母さんが話をし出した。
「陽菜 もうすぐ夏休みでしょう? 3人で温泉でも行かない?」
よく見るとテーブルの上には国内の温泉の旅行パンフや雑誌がたくさん広げられていた。
「あ、うん いいけど・・・ 私はいいから2人で行っておいでよ。」
昭仁さんはすごくいい人だし 家族旅行っていうものへあまり出掛けた事がない私は正直行きたいと思った。
だけど、この2人の邪魔者にはなりたくない。
お母さん、やっと自由になれたんだから。
まだお荷物な私が出来る事はこれくらいの事しかないと思ったから笑顔でそう答えた。
「だめ? 陽菜も一緒に行こうって言ってくれてるのよ。」
少し寂しげなお母さんの表情。
私はちらりと昭仁さんの顔を見た。
「陽菜ちゃん、ダメかな? お母さんも大事だけど、陽菜ちゃんも大事にしていきたいんだ。 ・・・一緒に行こう?」