派遣OL、時々蝶。

「せーのっ」


一斉に持っているカードを見せ合う。





結局念願は叶わず、私は横田さんと一緒になった。


「ナインボールでいい?」

五十嵐さんが確認をする。


正直、ビリヤードなんてお遊び程度にしかプレイした事がない私。

確実に横田さんの足を引っ張るだろう。





「負けたチームはこれ飲んでね。」

いつの間に注文したのだろう、山岸さんが2つのショットグラスを持って嬉しそうに微笑んでいる。

ショットグラスの中には麦茶のような色をした液体。



「何ですか、それ?」

思わず、口に出して聞いてしまう。



「ん? ウイスキー。」

語尾に音符マークでもついているかのように楽しそうに答える山岸さん。



「ウイスキー? 俺がアルコール弱いの知ってるくせに」

隣にいた横田さんが嫌そうな顔をしている。




そういえば1次会でも横田さんお酒飲んでなかったなぁなんて思っているうちにゲームが始まった。


< 45 / 52 >

この作品をシェア

pagetop