派遣OL、時々蝶。

「・・・もひもひ?」

寝ぼけてベッドに転がったまま電話に出た。


電話には出たものの今にも夢の世界に引きずり込まれてしまいそうな状態。

気持ちいい時に起こされた事で不機嫌な声だったに違いない。


「あ、もしもし?陽菜? ・・・もしかして寝てた?」

不機嫌な声で電話に出たせいか少し申し訳なさそうに雄ちゃんが言う。



「・・・うん ・・・今起きたぁ。」

その申し訳なさそうな声に悪気を覚えて 体を起こし携帯電話を持っていない方の腕をぐっとあげて軽くけのびした。



「わり、起こしちまったな。・・・昨日歓迎会だっけ?遅かったの?」

「うん。結構遅かったかな。」


「そっか、お疲れさん。 でさ、陽菜今日予定あいてる?」

「ん? 特に何もないけど?」

特に何もない、調子がよければ夜からバイトに行こうかなと思っていたくらいで何の予定もなかった。

「そっか♪ じゃぁさ、久しぶりに飲みにでも行かね?」

「うん。行く行く。」



久しぶりの嬉しいお誘いに目もばっちり覚めて部屋の窓のカーテンを開けた。

外は晴天で日差しが部屋まで入ってくる。

太陽の香りが目覚めの体に心地よかった。

< 52 / 52 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop