雪と涙とアナタと~CASE1~
卒業
雪が降る


2月も終わりを迎えたこの時期に、私の住む街に雪が降った


朝から曇り空だった空から、ひらひらと舞う白いもの


寒さのためにその水分は、綺麗な結晶となって降ってきた


そっと首元のマフラーに手をあてて、私は顔をそこに埋めた


短くした制服のスカートから覗く足が、少しかじかんで寒い


冷たい空気が頬をかすめて、私は今日最後の登校をする


高校も、そうしてその後会いに行くアナタとも



私は今日、卒業すると決めたの―――――




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