旦那様は高校教師


帰りのホームルームが終わると、先生はのんびりとした足取りで、教室を出て行く。



私は鞄を持つと、周りの人に怪しまれないよう後を追った。



あっ!先生が廊下の角を曲がって行く。



「先生!!ま…待って下さい」



焦って声を掛けたから、想像より大きな声が出てしまった。



しまったぁ…もっと小さい声で話し掛けるつもりだったのに…。



周りには誰も居ないよね?



私はキョロキョロと辺りを確かめた。



「どうした?」



クスッと笑いながら、先生は私の方へ戻って来る。



「あのっ…今日、公園で待ってても良いですか?」



「良いよ。でも今日は会議があるから…夜の7時位になるけど良い?」



先生は腕時計を見ながら宙を見る。



「はい!じゃぁ7時に待ってます」



私は先生に一礼し、弾む足取りで下校した。





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