旦那様は高校教師
「あなた!!突然そんな事言っちゃダメでしょ!」
お母さんに怒られ、お父さんはまた豪快に笑った。
「ハハハハッ、冗談だよ」
お父さんは明るく陽気にそう言ったけど、冗談に受け取れない。
と言うより、私は何でも真に受けるから冗談が通じないの。
笑って遣り過ごすなんて無理。
「ごめんね、ほたるちゃん…。実はね6月に心矢が突然結婚するって言いに来た日なんだけど···」
お父さんが何故『養女に』と言い出したのか、お母さんが話してくれた。
6月と言えば、伯母さんが『結婚するなら···』と心ちゃんに条件を出した頃。
其の時点で心ちゃんは結婚するって決めてみたい。
「私も矢(タダシ)さんも結婚には反対しなかったのよ?」
其れじゃぁ…どうして?
「お嫁さんになる人の事を聞いたら心矢の生徒って言うでしょ?…」
あっ………此処でも教師と生徒の壁があったんだ…。
お父さんもお母さんも、許されない恋には反対だよね。