旦那様は高校教師
「じゃぁ行って来る」
車に乗り込んで数分後。
お父さんが経営すると言う温泉施設が見えて来た。
其処へ近付くにつれ、外観がよりハッキリになる。
隣通しに建物が2棟並んでいて、想像よりも遥かに大きい。
う゛…此の迫力に気持ちが負けてしまいそう。
迷惑掛けないように、ちゃんとお手伝い出来るかな?
急に不安が襲い掛かる。
「ほたる?大丈夫か?」
心ちゃんは微妙な私の変化を感じ取り、そっと手を繋ぐ。
「大丈夫。ちょっと建物の大きさに驚いただけ…」
「ん…そっか」
私に向けられる心ちゃんの優しい眼差が、不安を消してくれた。