旦那様は高校教師


俺にとって、ほたるの居ない休日は時間との戦いでもあった。



時の刻みが、余りにもスローテンポすぎる。



本当は同じ日に休みを取り、2人で出掛けたい。



俺はほたるの休みに合わせ、シフトを作っている。



にも関わらず、何らかのトラブルがあり一度も同じ日に休みが重ならない。



多分、何らかの形で雪子が絡んでいるんだろう。



人を疑うのは良くないが、彼女なら其れ位はするだろうな。



俺が雪子と初めて出会ったのは…2年前の夏休み。



其の頃、雪子は事務所で働いていて、出勤と退社の時に挨拶をする程度だった。



冬休みに手伝いで入った時、雪子はフロントに転属していた。



父さんの話によると、自分から移動願を出したらしい。



一緒に仕事をするようになってから、雪子と色々な話をするようになった。



俺にとって雪子は仕事仲間。



其れ以上も以下もない。



だが人の縁とは不思議なもので、年明けに行われた新年会がきっかけで、俺は雪子と付き合うようになった。





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