旦那様は高校教師


「此れで良い?」



私の手にハチマキを置いてくれた其の人は……栗山君!?



そっか!!青組には栗山君が居たんだ!!



「あ…有り難う…」



私は手にしたハチマキを握り締めた。



「礼は良いから、早く行きなよ」



「はい!」



栗山君にそっと背中を押され、私はゴールへ向かう。



数十メール先のゴールに、心ちゃんの姿を捕らえた。



「南条、頑張れ!!もうすぐゴールだ!!」



沢山の声援で溢れるグランド。



でも私には心ちゃんの声しか聞こえてこない。



心ちゃんが待ってくれてる。



私はあそこへ行くんだ!



心ちゃんの所へ行くんだ!!



私は一点だけを見つめ、其処を目指す。





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