旦那様は高校教師
「少し痛いけど、大丈夫…」
私は心ちゃんの首にタオルを架けてあげながら、答えた。
「ほたる~大丈夫?」
競技を終えた祐奈と詩織が、救護テントへ駆け付ける。
「あれは絶対わざとだったよ!!」
詩織は頬を膨らませ、赤組の応援席をジロッと睨む。
あの不適な笑みの意味を考えると、故意にした可能性はあるけど、其の理由が分からない。
ん何で?
「南条、まだ他の競技もあるけど本当に大丈夫なのか?」
私に問い掛ける心ちゃんの顔には、まだ『心配』の文字が書かれている。
だから私は、飛びっきりの笑顔で答えた。
「はい!大丈夫です!!」
「ん…分かった…。でも無理はしないようにな!」
「はい」
私達は心ちゃんに手を振り、ゆっくり歩いて応援席へ向かった。