旦那様は高校教師


「少し痛いけど、大丈夫…」



私は心ちゃんの首にタオルを架けてあげながら、答えた。



「ほたる~大丈夫?」



競技を終えた祐奈と詩織が、救護テントへ駆け付ける。



「あれは絶対わざとだったよ!!」



詩織は頬を膨らませ、赤組の応援席をジロッと睨む。



あの不適な笑みの意味を考えると、故意にした可能性はあるけど、其の理由が分からない。



ん何で?



「南条、まだ他の競技もあるけど本当に大丈夫なのか?」



私に問い掛ける心ちゃんの顔には、まだ『心配』の文字が書かれている。



だから私は、飛びっきりの笑顔で答えた。



「はい!大丈夫です!!」



「ん…分かった…。でも無理はしないようにな!」



「はい」



私達は心ちゃんに手を振り、ゆっくり歩いて応援席へ向かった。





< 373 / 743 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop