旦那様は高校教師


「少し痛いかも知れないけど、我慢してね…」



保健の先生が、傷口に消毒をする。



「い…痛い!!」



転んだ時の痛みより、更に痛い。



私…痛いの嫌い…。



涙目になる私の顔に、タオルが掛かる。



「泣き虫だな…」



心ちゃんが私の頭をそっと撫でる。



皆の目があるのに…危険だよ!?



私はドキドキしながら、心ちゃんのタオルで顔を覆った。



「はい!もう大丈夫」



保健の先生の声にタオルを取ると、隣にはまだ心配そうな顔で心ちゃんが立っていた。



「まだ痛むか?」



心ちゃんは体を屈め、そっとガーゼに触れる。



膝と肘を擦りむいただけなのに、心配性だね。



でも、ずっと傍に居てくれて有り難う。





< 372 / 743 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop