旦那様は高校教師
「少し痛いかも知れないけど、我慢してね…」
保健の先生が、傷口に消毒をする。
「い…痛い!!」
転んだ時の痛みより、更に痛い。
私…痛いの嫌い…。
涙目になる私の顔に、タオルが掛かる。
「泣き虫だな…」
心ちゃんが私の頭をそっと撫でる。
皆の目があるのに…危険だよ!?
私はドキドキしながら、心ちゃんのタオルで顔を覆った。
「はい!もう大丈夫」
保健の先生の声にタオルを取ると、隣にはまだ心配そうな顔で心ちゃんが立っていた。
「まだ痛むか?」
心ちゃんは体を屈め、そっとガーゼに触れる。
膝と肘を擦りむいただけなのに、心配性だね。
でも、ずっと傍に居てくれて有り難う。