旦那様は高校教師


公園から車で1分程の所に、南条が住んでいる親戚の家はあった。



こんなに近い所に住んでいたのか…。



アパートから歩いても来れる距離だぞ?



「ワワン!ワワワン!!」



玄関脇に繋がれた次郎が、鎖をグイグイ引く様に吠える。



「ごめんな次郎。今は遊べないんだ…南条は居るか?」



「ワン!ワンワン!ワワワン!」



次郎は激しく吠え、ソワソワ動き回る。



一体どうしたんだ?



こんなにソワソワした次郎は初めて見る。



落ち着きのない次郎の姿を横目に、俺は玄関のチャイムを押した。



「こんにちは」



声を掛けるも何の応答もない。



誰も居ないのか…?



其の後、何度もチャイムを押したが、玄関のドアが開く事はなかった。





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