旦那様は高校教師


授業終了のチャイムが鳴ると、俺は急いで教室を出た。



「先生!」



背後から生徒に呼び止められ、急ぐ足を止め振り返る。



「ごめん、ちょっと急用だから…悪い」



生徒に申し訳ないと思いながら、用件も聞かず其の場を立ち去ってしまった。



ごめんなぁ、戻ったらちゃんと話を聞くから今だけは勘弁してくれ!



心の中で何度も謝り、名簿と車の鍵を手に持ち、駐車場へ向かった。



南条の住所を確認し、ナビに登録。



どうか南条が家に居ますように…。



祈るような思いで、俺は其処を目指した。





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