同居ゲーム
「美喜さんがダイエット中の時にはまた作ってみるね。」


「わかった、頼りにするわ。」



あははと美喜さんは豪快に笑い、残りを一気に掻き込んだ。



「「早ッ!」」


「あたし、髪巻かなきゃだからさ。
由宇希、ご馳走さん。」



パンッと音を立てて手を合わせ、美喜さんは洗面所に駆け込んだ。



と、美喜さんと入れ代わりに海斗が起きてきた。



「あ、おはよう。」


「おはよう央。
由宇希も。」


「うん。」



海斗のと、ついでにあたしも温める。



サラダも小分けして用意した。



「海斗と食べんの久し振りだな。」


「少なくとも3日は塞いでたからね俺。」



笑いながら話す声が聞こえる。



海斗、昨日とは違ってもう声もしっかりしてるな。



昨日のことを思い出すと、説教も思い出され、あたしは頭を抱えた。



恥ずかしー。



ピピッとレンジがあたしを呼ぶけど、真っ赤でとても上がれない。



なかなか立ち上がらないあたしを心配してか、海斗が声をかけてきた。



「由宇希、どうかした?」


「ううん、何でもない。
ちょっと待って。」


「手伝う?」


「いい!」



バッと立ち上がってやや乱暴にレンジを開ける。



スプーンとフォークとサラダと一緒に海斗の前に手早く並べ、あたしは央の隣に座った。



「あれ、由宇希今日はこっち?」


「うん、そう。」



触れないで〜。



海斗、変な誤解しないといいなぁ。



「いただきます。」



気のせいか声が少し沈んでいる。



別に海斗を避けたわけじゃないの、昨日のこと思い出してあたしが勝手に気まずくなってるだけなの!



気にしないでください、お願いします。




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