同居ゲーム
口を尖らせて、裾をいじり続ける。



「もー。」



しばらくして、捻れた裾を海斗は苦笑いで引っ張った。



「ここだけシワじゃん。」



すみません。



ったく、と指で服を伸ばし始める。



あたしは寝転がったまま、その指の動きを目で追った。



「じゃあ、そろそろリビング行く?
みんな不思議がるよ。」


「……うん。」



何となく、あたし達のことをみんなに隠してる。



今のところ、2人でどこかに出かけるでもなし、ただ気持ちが一致しただけ。



バレるまで、黙っておくことになった。



理由 恥ずかしいから(あたしが)。



ドアを開けて待っている海斗の横を通り、廊下に出る。



さぁ、ここからは海斗の甘いところが見られない。



今までのふんわりは変わらないけど、ちょっとよそよそしくなるんだ。



リビングに入る前、ちょっとだけ海斗に体をぶつけた。



あたしなりの甘え。



海斗は照れたように笑って、あたしの頭に手を置いた。



「最後にやっと可愛いとこ見せてくれた。」



恥ずかしくて赤くなった顔を元に戻す間もなく、海斗はドアを開けた。



「あれ〜、やっときたようです。」



こっちを振り返った央が、キッチンにいるらしい美喜さんに声をかけた。



「あ"〜、やっときた。
由宇希、あたしに料理任せるのはまだ早いわよッ!」



ヒステリックに叫び、美喜さんはフライパンをカンカン叩いた。



「手伝いまーす。」



あたしは海斗に肩をすくめて見せ、キッチンに向かった。



























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