同居ゲーム
岩谷さんの顔が強ばった。



「海斗、怖い。」


「だってさぁ。」



覗く方が悪いんだよ。 



子どもみたいに呟く海斗に胸がときめいた。



本当に、こんな時にって感じだけど。



「あたし達のこと、言ってあったんだからいいじゃん。」


「じゃあ、そろそろ許してあげる。」



案外あっさりと。



美喜さんは目をぱちくりしている。



あたしは長いため息をついた。



「よかったね、岩谷さん。」



無言で頷く岩谷さん。



海斗はそれを見てクスッと笑った。



「ゴメン、ちょっといじり過ぎた。」


「ちょっとじゃあないだろ。」



渋い顔で岩谷さんは頭を掻いた。



「まったく、どれだけ焦ったか。」


「俺だって、美喜さんがニヤニヤして覗いてるのに気付いたときはかなり焦ったんだから。」



わかってる?と小首を傾げた海斗はさながら悪魔だった。 





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