同居ゲーム
「ばっ、ばか!」



慌てふためく美喜さんをみて、男の人も含め、あたし達みんなは笑った。



「最後にいちゃついてくれたね。」



ヒュウッと口笛を鳴らし、央がからかう。



美喜さんはかみつくが、岩谷さんは得意げだ。



「まったく、見せつけるよ。」



ククッと身体を折って笑っていた男の人がそう漏らした。



初めて普通の口調で喋ったところ見た。



あたしと目があうと、コホンと空咳をして誤魔化した。



「それでは、皆さん、さようなら。」



何とも呆気ない締め。



男の人はお辞儀をして歩き去った。








「じゃあ。」



美喜さんも、岩谷さんも、央も、それぞれ別の方向に散らばった。



名残惜しげにそれを見送り、あたし海斗を見上げた。



「あたし達も、バイバイだね。」


「え?」


「今までありがとね。」



涙があふれてきた。




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