SEASON
「個性がなきゃ生き残っていけないし?」

「それも事実だけど、こうもここまで個性的とくると…」

「いっそのこと髪、みんな違う色にしてみる?」

「あー、陽生それはやめといたほうがいいぞ」

「なんでだよ風幸」

「想像してみろよ。移動中とかまぁ、電車乗るときにでもこの4人が揃ってたら明らかおかしいだろ。年頃の若者って言っても」

電車の中でそんな人たちが居たら嫌だなぁ。

絶対変な目で見ちゃうよ。

「それに捺実はまだ高校生だから髪染めるのだめだろうし」

「あれ?東野ってだめだったっけ?」

「たいていの学校はだめだろう」

原則だめだけどみんな結構染めてるというのは言わないでおこうと思う。

もしそれをいって陽生が本気で髪染めよう!っていわれたら困るし。

あたしは変人の仲間入りなんてしなくないしね。

「捺実ー、ちょっと来て」

カジさんに呼ばれてさっきからカジさんがにらめっこしていたパソコンの前まで来た。

ディスプレイにはさっき撮った写真が画面いっぱいに映し出されている。

こう見るとみんな…かっこいいよねぇ。

なんか、今風の若者って感じでモテるんだろうなぁ。
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