シークレットラブ
準備ができて、ロビーにおりると、次々にホテルの重役らしき人達が壱也さんに話しかけてくる。
「悪いけど、今は急いでるんだ。後で資料まとめて送るから。」
そう重役達の質問にサラッとかえすと、後ろを歩いていた私の手を握り、ホテルの外に出た。
「あの…ッ!忙しかったら、送ってくれなくても大丈夫ですよ?」
「何言ってんだよ。俺がいいって言ってんだから、いーの。
それに、今は親父の秘書だから、そんなに仕事あるわけじゃないし。」
優しく微笑んだ壱也さんは、すごくかっこよくて…
いくら秘書だからって、あの有名な秋山コンポレーションなんだから、忙しくないことなんてないと思う。
だけど、仕事より私といることを選んでくれたようで、なんだか嬉しかった。