シークレットラブ



壱也との待ち合わせ場所まで、綾ちゃんと歩く。
最近、綾ちゃんの口癖が、社長婦人!!とか、まさか高校で結婚するとはなぁ…なんてことに変わって来た。



でも、綾ちゃんは壱也とのことを話したら、すごく喜んでくれたし、やっぱり最高の親友だと思う。




「流依っ!!あれ壱也さんじゃない?」




考え込んでいるうちに、待ち合わせ場所についたらしく、いつもの黒いベンツが少し先に停まっていた。




「あ、うん!!」




私達が車に近づくと、壱也は窓を開けた。




「流依、おかえり。」




「ただいま。」




フッと微笑む壱也は、後ろの綾ちゃんを見た。




「綾ちゃんも乗ってけば?確か家、そんなにはなれてないだろ?」




私も賛成で、頷いたけど、お2人のお邪魔になりたくないんで。なんて言った。



「あ、流依、例のこと、ちゃんと言ってみなさいよ?」




………ッ…………




ニヤリと不適な笑みを残すと、綾ちゃんは失礼しますと言って、帰って行った。



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