one.real

思わず顔を綻ばせてしまう。

『ん?なんで?久しぶりじゃん』


仲良い友達が、自分の知らないところで知らない姿で笑う。

あえて確かめたりはしないけど、潤が不安になってるのはそういうところだってわかるから、


『お前が見てんのは、あれは“碧杜”だし』


そう続けた。

俺は俺のままで、潤も潤のまま。距離がひらいたわけじゃないし、距離をとる必要もない。


『俺は変わんない。だからヘーキ』


ごちゃごちゃ言いだしそうな潤を遮って言い切る。

要らない心配だってゆうのに、潤はいつもこうしてあれこれ考える。


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