one.real
本当は俺のが、不安で。
いまいる世界は未だに俺にとって異世界だから。
入り込んで二年の俺が、どんなに潤との時間に救われてるか、潤は分かってないんだろう。
『潤、なんか飲むか』
『あ〜、碧は?なに飲む?』
潤のカップを下げてた総兄の視線が俺に向く。
『俺?明日オフだし、飲もっかな』
そうだな…と、棚の中に視線を巡らせてバーボンを頼む。
潤はいつも通りビールを頼んだ。ここはビールの種類が豊富で毎回総兄が適当にオススメを出してくれる。
総兄はちょっと待ってろ、と言ってカウンターの端にオーダーを取りに行った。