one.real
『すいません三浦さん、付き合わせて』
会議室は五階。
エレベーターならすぐだけど、階段で登るとなると意外に疲れる。
俺は命令だしいいけど、三浦さんは思いっきり被害者だ。
ちっちゃい子じゃあるまいし、一人で良かったのに。
謝る俺に少し息を切らせた三浦さんは笑った。
『ふ、椎名さん様々だな』
なにが?
きょとんとする俺にニヤニヤ笑みを深める三浦さんは言う。
『礼儀だよ、れーぎ』
『はい?』
『さすが椎名さん、美人は教育もプロ級って話だ』
『…それ、かなり失礼じゃない?』