左手の約束
「か…楓くん
あたしねっ……」
走ったのと、緊張からのドキドキで
うまく喋れない。
「志保…?」
なんとか息を整えて口を開いた。
「あたし……っ
ずっと…ずっと楓くんの事が忘れられなくて……
再会出来てすごく
嬉しかった」
ずっと
“想い出”にしてしまえば楽になるって
どこか
自然に忘れられる事を願って
あたしは空白の今までを過ごして来た。
だけど
忘れられるはずもなく
想いはどんどん強くなって行った。