私の中の眠れるワタシ
私は、青ざめるサナミを見て、ますます意地悪な気持ちが芽生えてくる。
「私は、毎日真也と同じ家に帰るよ。あの子を見てて思うけど、そんなに誠実?まだほんのガキじゃない。」
「わかんない。ただ私は……」
サナミは涙目だった。罪悪感より、罰を与えたい気持ちが勝る私は、同情しない。
「私しか知らない真也くんも、いていいと思う。私が知らない真也くんは、別に興味ないよ。もしかして、蜜の言うとおり、誠実じゃないかもしれない。
だけど、誠実に、変わるかもしれない。
信じてるから、いい。」
−−また、だ。
信じるという事。
恋が、実っているという事。
サナミには、確実にショックを与えた。
でも、私は。
勝ったのに、負けた。