私の中の眠れるワタシ

告白




練習が終わり、先生とならんで職員室まで歩く。

窓に、私達がならんで歩くのがうつる。

このまま、この窓のフレームごと、写真になりたいくらいだ。


もう窓の向こうは暗い。


去年も、たしかこの時期。先生と一緒に帰った。

懐かしいような感じがするのは、そのためか。


職員室につくと、もう誰もいなかった。


先生が大勢いる時間の職員室はニガテだ。

たいがい、用事を頼まれたり、クラスや部活や委員会の近況を聞かれたり。

選挙の時期には、別室に呼ばれ、生徒会の立候補の話をされたりした。

自ら望んだ環境だったけど。
たまに面倒に感じるのは、職員室に来た時だ。


相田先生は内緒でコーヒーをいれてくれた。
私は近くの椅子を引っ張ってきて、先生の側に座る。


二人きりだけど、いつも空想の中で起こるような、ドキドキ感はない。

思いがけない展開にも、冷静にふるまってしまう自分が、かわいくなかった。


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