私の中の眠れるワタシ

デジャ・ヴ




私は、いつもと変わらない調子で、なんですかと尋ねる。

こんな感じで、授業の事や部活の事、何度も先生から、『相談』をうけた。

私をおだてるための相談というより、毎回ホントに悩んでいるようだった。

先生同士でする相談より、生徒からの目線でどう思うか知る事の方が俺には重要だから教えてほしい、と、よく前置きされてから聞かれる事が多かった。

内緒にする事は、暗黙の了解だ。

先生は、いつも本当におまえは信頼できるなと褒めてくれた。

私の事を、友達みたいに話せる、大人な奴だと言ってくれた事もある。

今回は、俺の事を、先生だと思わないで聞いてくれ、と今までに聞いた事ない、変な前置きをした。


「長崎は、高田から俺の話を聞いた事はないか?」

先生の口から、美月と先生が繋がる。

私は、その続きが聞きたかった。
そのために、美月の家に突然押しかけた事だって、あるくらい。


「なくも、ないですけど。」


何か知ってるような、思わせぶりな事を言った。




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