私の中の眠れるワタシ

出来心




時間がとまっちゃった?

この、空気……。

でも。
私は耐え抜こうと思う。
ここで何かを言えば、負けてしまう。



「ね、蜜さん。それはホントですか??」

まったくふざけずに、レイは言った。

「ホントだよー!ねー、ねー、どうする?これから!」

私は、まだ彼を信じてる。



「蜜。病院に行って、ちゃんと検査したの?」

「それは、まだだけど……でもさ、でもさ、もし赤ちゃんいたらね……」

私の表情から目をそらすように、俯いて首を振った彼は、

「蜜、ごめん。俺ちゃんと気をつけていたつもりだったのに……」

と。

彼は、泣いた。

どういう涙なのか、私は知るのが怖かった。


「ねえ、なんで泣くの?嬉しいの?悲しいの?びっくりしたの?なに?その涙ってなに?」

わかってた。

彼の涙は、『後悔の涙』だって事くらい。

わかっちゃうくらいの時間は、一緒にいたはずだから。



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