私の中の眠れるワタシ

どこから間違ってしまったのかわからないけど。

何気ない日々の選択で少しずつ、今日という結末に向かって歩いてきてしまった。

振り返っても、なにもない。

彼は私にたくさんの物を与えてくれたし、私も受け取ってきた。

私も彼にそうしてきたつもりだったけど、ただひとつ。

二人にとってのゴールの意味が違っていた。


レイの『欲しいもの』がわからなかった。

なぜなら。
常にそこにあって、もう完成されていたから。


繋いでいた手を離すと、彼との距離も離れて、彼の全部がやっと見えた。


−−自信が、ない。


彼がいつか、冗談まじりで私に言ったあの言葉が全部。

ワタシはそれが何に対してなのか、聞き返す事はしなかった。


それが、二人一緒に歩いて来た、道の答えだ。




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