私の中の眠れるワタシ

彼の身体




−−彼は、私と初めて一緒の夜を過ごした時、こう言った。


「俺は、できないんだ。ちゃんと言うと、したいけど、できない。」

私は意味がわからなかった。


「多分、病気なんだと思う。」


私はがっかりして、やっぱり帰ろうかと荷物をまとめた。

だけど。
帰れなかった。

それを聞いて、無神経に彼を置いてなんて、行けなかった。

そんなのおかしい。

彼とそういう事がしたくて来たのではなく、ワタシはただ彼のコトが好きで、一緒にいたいだけだったはず。


「どうして?教えて。」


私は、言葉の続きを聞くために彼の隣に潜り込んだ。


「わからない。なんでだろうね??だから、帰っても、いいんだよ?」


私は、さっき一瞬よぎった本音を見透かされたような気分になって、感情的になった。



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