私の中の眠れるワタシ

ハヤオは、

「あか、ちゃん……?」

と私を見た。

私は。
この前話したじゃないのと。
まるで今日、彼が聞く事は初めてじゃないように。
微笑んだ。

「予定日は、夏らしいね。今が大切な時だから、ハヤオ君よろしくね。」

と、母が言う。

その方向を見て彼は、





「はい。がんばります。これからよろしくお願いします。」

と言って。

母とワタシを見て、笑った。




−−−母が帰った後も、ハヤオは何も言わなかった。

もし聞かれても、お腹の赤ちゃんは、ハヤオの子だと言う。

聞かれなければ、そのまま普通に過ごす。

それだけの事。
どちらでも、同じ。




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