君との期待値
見た記憶もないし、聞き覚えのない声。
でもさっきの声……
すごく綺麗だった。
水が流れるような澄んだよく通る声。
爽やかな、そんなすがすがしい感じ。
こんな声、一度聞いたら忘れないと思う。
驚きと不思議で涙が降り止んだ。
私の視線に気づいた少年は私を見て微笑む。
「よかった。泣き止んだみたいですね」
物腰がすごく柔らかい。
なんて言うか……大人っぽい。
「あの……えとっ、何で私の名前……」
動揺してしまう。
とても年下とは思えない。