君との期待値
私と赤羽くんはそのまま庭園に戻って焼き芋を食べた。
時間はあっという間に流れてそれは回る季節のように早かった。
楽しくて、
嬉しくて……。
けど、胸の奥に何かが引っかかっていた。
さっきの子と今までの拓真、そして赤羽くんや大空くんと美波の言葉。
それらを崩れたパズルのように組み立ててみた。
あと少しで拓真の私に対する態度の変化がわかる……、
そこで私はパズルを組み立てるのを止めた。
幸か不幸か私は真実の一歩手前で胸を鷲掴みにされそうになった。
もしそうならつじつまが合う。
けど私はその考えを閉じ込めた。
信じたくなかったから。
この答えが本当だったら困るから?
ただの自意識過剰で済む問題じゃない。
拓真は……
私を好きかもしれない。