君との期待値
「大丈夫だよ。赤羽くんに期待してるうちはずっと好きだから」
ワックスで固めてあるのか彼の頭は意外と固かった。
自分から触ったくせに、触れた指先が熱くてドキドキした。
「へえ。お前期待してんだ。
自信過剰だな」
いつもの意地悪な瞳で顔を覗き込まれる。
恥ずかしくなって、今度は私が俯いた。
同時に彼の髪に触れていた手も引っ込める。
何言ってんだろ。
私って好きとか簡単に言っちゃうキャラだっけ?
なんか空気に流された。
流れって恐ろしい。
恥ずかしすぎる。