君との期待値

浜に到着すると待ってましたと言わんばかりにすぐに花火を始めた。



用意された花火はイベント好きの琉花先生には珍しく、
打ち上げ花火のような大きな花火は一つもなかった。



私と赤羽くんは手に花火を持ち、振り回して遊んだ。



けど拓真は私たちから少し離れ、線香花火をしていた。



どんどん入れ替わる花火と終わりに近づくクリスマス。



最後の花火を光らせたとき線香花火を続ける拓真を見ると、
うっすら微笑んだのが見えた。



嬉しいことがあったのかな?



その笑顔の意味を問いかけようとしたとき、
私の花火が、ちょうど光を失った。



< 194 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop