君との期待値
「籠原さん。いつの間に須田くんに彼女ができたの?」
拓真に彼女?
「しかもあれ1年の加賀見あやのでしょ。可愛いだけに何も言い返せないのが悔しい」
2人の視線は窓の外に続いており、その先をたどる。
あ……。
拓真と並んで歩く少女の後ろ姿。
『拓真先輩に近づかないでください』
頭の中にそのフレーズが繰り返される。
「亜姫ちゃん知り合い?」
「え……あ、ううん。見たことない子だからびっくりした」
不思議そうに私を見つめる美波からもう一度視線を外に戻す。
拓真、あの子とつき合ってるんだ。
なんだ。
結局私は怒られ損だったわけだ。