君との期待値
「……」
突然先輩が黙りこみ、私をじっと見つめてきた。
真っ直ぐな瞳に吸い込まれそうになる。
ゔっ……。
何を見てるんだろう。
久しぶりだし緊張する。
「亜姫……何かいい顔になったな」
「へっ?」
さっきは変わってないって言ったのに。
「なんつーか。無理してない感じ」
先輩の言ってる意味がよく分からない。
「そうですか?」
「ああ。亜姫は、卒業式の日は違ったけど、
いつも頑張りすぎて切羽詰まって無理やり笑顔つくってた。
けど、今はそうでもないな」
嬉しそうに笑う。
「よかったよかった」