君との期待値
「けど、もう負けねーよ。
諦めたくないし。お前のこと」
力が緩まり、彼を見上げる。
優しく、彼の瞳が弧を描いた。
「うけてたつよ。
離したくねえからさ」
窓から吹き込む風は冷たい北風のはずだけど、熱い身体には涼しいくらいで心地良い。
赤羽くんの瞳に吸い込まれる。
目がそらせない。
どんどん近づいてくる顔に、まるで操られるかのように自然と目を閉じてしまう。
唇が……重なった。
そう身体で感じると、全身に電気が通ったようにビリビリと刺激が走る。
好き。
大好き……だよ。