君との期待値
耳元で囁かれた声にゾクリッとした。
甘い声にくらくらして、思わずしがみついてしまう。
それに気づいた彼が私をきつく抱きしめた。
心臓が破裂しそう。
でも……なんか落ち着く。
赤羽くんの香りに包み込まれる。
「わりい。バレンタインとか言って引き延ばして。
怖かったんだ。亜姫のこと拓真先輩にとられるのが」
赤羽くんの声が弱々しくなっていく。
「先輩かっこいいし何でもできるし……なにより亜姫を見る目が優しすぎて、勝てねーって思ってた」
強気な赤羽くんの弱気な発言。
海で話したときと同じだ。
あの時も、こんなに不安だったんだね。