君との期待値
ぴくっと彼が反応する。
「見たのか?」
険しい顔をする。
聞いちゃ……まずかったかな。
「う、ううん。朝、赤羽くんから聞いたから」
大きく首を左右に振る。
すると彼は、ホッとしたように安堵の表情をみせた。
そんなに見られたら恥ずかしいのか。
拓真照れ屋だしね。
でも赤羽くんはよくあるみたいな口調だったし。
誰かに見られたりしないのかな。
「それで、どうしたの?可愛い子だったし、つきあうの?」
横を歩く彼を見上げる。
拓真は前を見たまま、
「つき合わないよ」
と答えた。