君との期待値
「そうだなぁ。あれしかないよ」
「あれ?」
「うん。拓真くんの好きな人を聞き出すの」
美波な眩しいくらいの楽しそうな笑顔で笑う。
「そうすれば亜姫ちゃんが否定してもみんな信じるよ」
……確かに。
それだったら被害はないよね。
しかしそれには1つ問題がある。
「そんなに簡単に教えてくれるかな?」
「そこは頑張るしかないよ」
美波が片腕を上げて頑張れポーズをとる。
平和的解決をするためには努力も必要だよね。
「よしっ」
私は拳に力を入れて立ち上がる。
頑張ってみるか。
残ってくれた美波にお礼を告げて、重い足を必死に前にだして部活へ向かった。