君との期待値
先輩のことかあ。
思い出すだけて顔が熱くなるのに、人に話すとかそうとう恥ずかしい。
話しずらいかも。
「ほら、さっさと話せよ。きっかけ」
いかにも、
話せないのかあ?っと見下してる視線。
こ、ここで引いちゃダメだ。
爆発しそうな心臓を鎮めて、ゆっくり呼吸する。
「……きっかけは、わかんない」
声を絞り出しながらゆっくり口を開く。
「けど、先輩に出会って私のただ生きてるだけの何にもない規則的な毎日が、変わったの」
一言一言が、重く私の口を固くする。
先輩は、私の全てだった。