君との期待値
先生は片腕に頬を乗せ、足を組む。
「けど……頼まれたとしても、亜姫が拓真に聞くのはまずいかもね」
ニンマリと先生は笑った。
何かを誤魔化すように遠回しな発言。
どういうこと?
「それって……」
「うーんと、生徒の恋に口出しすんの危険なんだよなあ。
ヒントを出すと勘違いされちゃうかもってこと」
勘違い……。
私が拓真を好き、みたいな?
けど拓真はそんなに自意識過剰じゃないと思うな。
むしろ恋愛系の話には鈍そう。
「ま、学生の時にいろいろ経験した方がいいから協力してあげる。
何かあったら助けるから相談して」