君との期待値

先生は片腕に頬を乗せ、足を組む。



「けど……頼まれたとしても、亜姫が拓真に聞くのはまずいかもね」



ニンマリと先生は笑った。



何かを誤魔化すように遠回しな発言。



どういうこと?



「それって……」



「うーんと、生徒の恋に口出しすんの危険なんだよなあ。
ヒントを出すと勘違いされちゃうかもってこと」


勘違い……。



私が拓真を好き、みたいな?



けど拓真はそんなに自意識過剰じゃないと思うな。



むしろ恋愛系の話には鈍そう。



「ま、学生の時にいろいろ経験した方がいいから協力してあげる。
何かあったら助けるから相談して」



< 60 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop