君との期待値
「あの……えっと……クラスの子に頼まれて……その…相手が私って思われたら大変だし……」
掘り出した言葉はまとまりがない。
困った。
この重い空気……どうするべき?
この暗闇に溶け込みたかったけど、街灯が所々点いていて2人を照らす。
だから
今日ははっきりと拓真の顔が見える。
私の顔もはっきり見えてるはず。
「困ってんの?」
「えっと、そういう訳じゃ……なくもないけど……」
「……じゃあいないってことでいい」
拓真が止めていた足をまた動かし始めた。
私からも目をそらしている。