君との期待値
そうだよね。
色々話したし、気になってるはずばよね。
せっかく協力してくれたのに結構とか話さなきゃまずかったな。
「先輩のことは大丈夫。拓真のおかげで完全に吹っ切れたから。
それにもう半年だよ。
振られてここまで引きずらないよ」
笑って、少年の肩を叩く。
「……」
無言で拓真は叩かれてる。
「……なら、いいけど」
口を開いた彼は、うっすらと口元に笑みを浮かべていた。
そして、やり返すかのように優しく私の髪をくしゃくしゃっと撫でた。
そんなことが楽しくて、私もさっきよりも大きくわらった。